イベントレポート
EVENT REPORT
2025.10.05
2025年度 日本手術看護学会 第2回中国地区研修会
9月27日に倉敷中央病院研修センターにて第2回中国地区研修会を開催しました。
県外の方も含め、49名もの方が参加してくださいました。参加してくださった皆様ありがとうございました。
今回は「現場ですぐに役立つ“観察力”と“思考力”~異変に気付けるナースになる~」というテーマで、
事例1:全身麻酔時のSaO2低下(呼吸状態の観察と異常への気づき)
事例2:脊髄くも膜下麻酔時の血圧低下(大腿骨骨折緊急手術を受ける、脱水症状のある患者に対し循環変容のある患者の輸液管理と対応)
事例3:局所麻酔時の急変(局所麻酔中毒リスクと緊急時の対応)の3症例に対して、患者の状態を多角的に推測していく内容で行っていきました。
今までの研修会では、患者情報からキーワードの抽出をし、仮説をたて、術式や手技・合併症・術中の状態などから患者に起こっていることをアセスメントして判断をしていましたが、今回の研修では、患者情報から仮説を立てるためのプロセスに注目しました。
アンケート結果では、7割以上の方が満足したとの結果となりました。
・観察した事を解釈できるように、まずは観察の基本をしっかりしていきたい
・見て聞いて感じておかしいと思える観察力を身につけていきたい
・明日からも情報収集を継続しつつ、知識も増やし患者の異変に気づいたときには仮説を立てられるようにまずは頑張りたい。
・何か起きた時に混乱しすぎず、状況を判断して行動する考え方を学ぶことができたので、活かしていきたい。
など前向きな意見が多くありました。
全体として、看護師経験が長くても手術室経験は1~3年目の方も多く、基本的な学びを改めて重視する姿勢が見られました。
中堅層では看護師経験と手術室経験が重なることで情報整理や推論を深め、急変対応や報告の室を高めようとする意識が目立っていました。
上級層では解釈や臨床推論を通じてチーム共有や後輩指導に視点を移し、鎮静やせん妄対応といった現場課題にも取り組む意識が目立ちました。
事例1では若手が基礎力を発揮確認
事例2では中堅層が情報整理と急変対応を学び
事例3では幅広い層が推論力ろ報告力を高めるきっかけとなっていました。
今回の研修では、個人の成長のみでなく若手の基礎強化・中堅層の実践力向上・上級層の教育力発揮といった形でチーム全体の底上げにつながる研修であったのではないかと思います。
次年度も楽しく学べる研修を意識し、当日参加も含めて検討していきたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。




